プレゼン

今日、教授に頼まれて1年生の前でプレゼンをした。

去年の11月に起業したことについて。

 

お願いされたときは断ろうと思っていた。すごく迷った。起業したもののうまくいっているとは言えなくて、打ちのめされて、もう最近は手をつけず目を背けていた。そんな状態でプレゼンなんて、自信をもって語ることなんてできない。本当に迷った。でもこの状況を変えたくて、どうにかしないといけないという焦りに任せて勢いでやりますとメールを送った。

 

結局前日まで何も手をつけずに頭の片隅でもやもやとしていた。泊まっていた友人が帰ったあと、自然とやろうと思った。学校に行って、研究室で作業をはじめた。Officeが壊れていたから、パワーポイントを開くのはとても久しぶりだった。他にも話しながら卒論をしている4年生かちらほらいた。

 

何を話そうか考えた。起業のしかた?法律?宣伝?システム?SEO?全部ちがう。そんな話なんにもおもしろくない。成功の輝かしい道のりもない。そもそも意識高い自分をアピールするために起業だとか挑戦だとか創造とかいう単語を使う人間は苦手だ。

 

自分が1年生の終わり頃、夢を見つけて動き出したときの自分に、何を伝えたいだろう。そう考えたら、決まった。かっこわるい起業の話をしよう。何度も何度も突っ走っては行き詰まって、その度に回り道をして、その先でまた行き詰まって。そんな話をしよう。夢中になって作業をすすめた。始まりはほんのささいないくつもの小さなきっかけだったこと、やりたいことがたくさんだめになって起業に至ったこと、何かやりたいと思っている人に、ずっと悩みながら必死に道を探した自分に言ってあげたいこと。

 

今までを振り返って、流れを想像してまとめていく。そうしたらいろんなことに気がついた。自分はいろんな目標を見つけてはひたすら走ってきた。目標が何度も手が届かなくなってはまた他の道を見つけた。

今、自分は「最終目標」を失敗して、もう全て終わったと思っていた。でも、手が届かなくなる度に自分はそう思っていた。自分は、今もまだ回り道の途中なのかもしれない。時間がかかっても、これからまた次の道を見つけられるのかもしれない。

自分を許せた気がした。

そうだ、うまくいかなくても、大丈夫だ。はじめてそう思えた。でも、それはきっと本当だ。

うまくいかなくても、大丈夫。大丈夫だ。

 

これが、これまでの自分と、これからいろんなことが待っている1年生のみんなに、自分が1番伝えたいことで、伝えられることだ。