水風船

今日は友人と昼過ぎから遊ぶ約束をしていた。前から一緒にバイオハザードをやろうと言っていたから、たぶんそれだろうと思っていた。少し前に知り合いにテレビを貰ったから、自分の部屋で。

13時過ぎくらいにつくと言っていた友人が着いたのはたしか15時近く。いつものことだからそのくらいだろうと思っていた。いつも荷物をもたない友人が大きな袋を抱えていて、何かと思ったら取り出したのはWiiバイオハザードと、抱えるくらい大きな水鉄砲だった。「おい、水遊びしようぜ!」爆笑した。

ゲームは部屋に置いて、玄関の靴棚からしばらく履いていないサンダルを出して、靴下を脱いでタオルだけ持って家を出た。この前自転車を盗まれたから、20分くらい歩いて公園へ。よくランニングで通っていた高台の公園。道中友人は袋を漁って他にも小ぶりな水鉄砲や大量の水風船を見せてくれた。

外はすごく日差しが強くて暑い。蝉が鳴いて、もうすっかり真夏だ。他愛もない話をしながら公園に着いたら、まず水鉄砲に水を入れて試し打ちをした。大きいのはもちろんだけど、思っていたより小さい水鉄砲がよく飛んだ。公園にはちらほら人がいたけど、近くにはいなかったから撃ち合いをして遊んだ。少し遊んだら水風船に水をいれた。蛇口が水を飲む用と手を洗う用で上下にひとつずつあったから、2人でどんどん水風船爆弾を作った。すっかり濡れていたから暑くはなかった。水風船でキャッチボールをすると、友人はキャッチが上手くてなかなか濡れなかったけど、結局最後はどっちも頭から足までずぶ濡れだった。大学生くらいの歳になると遊ぶといえば食事か飲み会で、まあそれもいいんだけどやっぱりこういう遊びが1番楽しい。

ふと周りを見ると人がいっぱい歩いていて、みんなケータイを見ていた。あれみんなポケモンGOだろ、と友人は言っていた。たしかにそこの公園は田舎にある数少ないポケストップだったと思う。リリースされた当初はときどきやっていたけど、アメリカで捕まえたケンタロスのデータが無くなってから嫌になってやめた。あまりにもぞろぞろと人が歩いているから何かイベントなのかと思った。

かき氷の出店が出ていたから、買って食べながら帰った。レモン味。友人はブルーハワイ。今年初のかき氷は美味しかった。

帰りに、学校のこととかも話した。友人は単位が足りなくて留年になって、辞める気でいたが家族にとめられたこと。自分は結局、辞めることになったこと。親のこと。普通に他の人に話したら重たく受け取られるようなことも、お互いにさらっと聞いて答えられるから、話しやすかった。なんとか手探りで生きている。自分が大学に入ったことで得られたものの大部分に、この友人は含まれると思う。無駄ではなかったのだと思える。時間がなくなったから、バイオハザードはまた今度。ホラーは苦手だから、ちょっとだけ安心。