部活

中学、高校、どの年代でも言えることかもしれないけれど、部活でありがちなこと。部活の部員内たちの温度差。

上を目指したい人と、楽しめればいい人。メリハリを求める人と、ゆるくやりたい人。

大雑把だけれど、温度差の究極の根本にあるのはこれだと思う。そして、いつも悩むのは前者のほうだ、と思う。

 

自分はずっと悩んでいる。はじめは楽しくやっていた部活が、楽しくなくなっている。もうすぐ4年生になる今、2年間続けた部長を引退し、ただの部員になる。次は2年生が引っ張っていくのに、部活に来ない。いつもいるのは1年生と、2年の新部長になった子だけ。

 

イベントの出演依頼をくれる外部の方とのやりとりを任せても、忘れる。本番までのメンバー決め、曲決め、練習の予定の立て方、リハーサル、本番までのその一連の流れを任せても、結局動かない。部長がなんとかしてくれる、と、顔に書いてある。自分はもう部長じゃない。

 

今までいろんなことを伝え、そして一緒に活動してきた後輩たちを信じて任せたいのに、彼らはまだ自分に部長であることを求めているのが、言われなくても鬱陶しいくらいわかる。

最初から全部はできない。それは自分もそうだったから、わかっている。でも、彼らはやろうともしない。

 

新部長の子は、がんばろうとしている。自分が次の新入部員を引っ張るのだと、少しずつみんなをまとめようと動いている。

でも、それにまわりがついていかない。いつまでも、教えてもらう側でいようとする。責任を持つのを避けようとする。何もしなければ、やってもらえると思っている。自分が部長になったばかりの時を見ているようだ。そのときも、自分の周りはそうだった。その環境に2年置かれて、自分はもう、疲れきっている。部活に関して。

 

4年生になったら、就活とか試験勉強だとかで部活に来られるかわからない。だから自分たちは後ろの列でいいから、2年生が前で踊ってといつも言っている。それは半分本当で、半分建前だ。彼らに自覚してほしい。自分たちの番なのだと。

今日も、そう言った。でも、嫌がる。笑って、いいですと言う。結局後ろから頑なに動かない。先輩への遠慮ではなく、任されることへの拒否。

ああ、もう部活辞めよ、と思った。悩んで悩んで必死に続けてきて、今更だけど。

ダンスが大好きだった。部活の時間が大好きだった。でもいつからか負担になってきて、いつも不安でイライラして、悩んでいた。それでも、好きになろうとした。自分が引っ張ってきて、ようやく波にのってきた部活を。一緒に活動するメンバーを。話せばわかってくれると、温度差も埋められると信じていた。でも、もう、本当に無理だ。ここで踊っても楽しくない。この人たちと踊っても楽しくない。

 

外部のいろんなイベントに出て、その度しっかり練習して、衣装を相談して揃えて、本番かっこよく決めて、がんばったね、と笑いあえるような部活にはならない。ゆるく気まぐれに練習して、身内しか見ていない学祭にだけ出て、それぞれが着たいバラバラの衣装で、あいまいな振りを笑って誤魔化すような部活に、サークルに戻るんだろう。

 

どっちを理想にするかはその人次第で、その比率によって部活の方針が決まるのだ。自分が1人で違う理想を求めたって苦しいだけだ。

 

他の部の同級生と話したとき、彼らも同じようなことを悩んでいた。

バド部の女子は、試合に出たがらない部員との違和感。サッカー部の男子は、ヘラヘラしながらゆるく練習する空気への違和感。どちらももとからその競技の経験者で、違和感を感じながら部活を続けた年数は違うものの、既に辞めている。自分は彼らとは違って経験者では無い。だから、はじめは楽しかったのかもしれない。違和感はうまく言えないまま、どうにもできず積み重なって、大きな温度差になる。

サークルから部活に昇格させた。毎日練習した。いろんなイベントに、出させてくださいと電話した。チャンスには全部食らいついた。たくさん出演依頼を貰えるようになった。それがいま、終わろうとしている。すごく、残念だと思う。自分がまだがんばれば、何とかできるかもしれないとも思う。だからずっと続けてきたけれど、もう、諦めよう。ダンスを嫌いになりたくない。